皆さんこんにちはスキルチャレンジの田中です。
いつも-tanaBlog-を見ていただきありがとうございます!
こんにちは、田中コーチです。
今回は、決定力不足に悩んでいる方からの相談がありましたので、解説していきたいと思います。
《相談者のコメント》
試合でシュート数は多いのに、なかなか得点することができず「決定力不足」で勝てません。
シュートが上手くなる練習メニューはありますか!?
教えてください。よろしくお願いします。
はい。
決定力を上げるためには、原理原則に基づいた方法があります。
試合でたくさん点数を取り勝利を勝ち取る為には、
”シュート数”を増やすことよりも”シュート率”を上げることが重要です。
そのためには、たくさんの工夫が必要となってきます。
今回は、個人のシュート技術に特化したスコアリング方法ではなく、
チームとしてシュートの決定率を劇的に上げる方法についてお話しします。
☑️この記事の信頼性
この記事を読むと、決定力の高いチーム作りのノウハウが身につき、
試合で勝つための練習メニューも自ずと湧いてくるでしょう。
それでは見ていきましょう。
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《目次》
①「シュートは打たなきゃ入らない」はやめましょう。
②「シュート率が上がる」決定力の高いシュート(プレー)とは?
②−0 シュートは速さ(強さ)よりコントロール
②−1 スクリーン
②−2 フラッシュ・スクリーン
②−3 ディフレクション
②−4 チップ・イン・ザ・エアー
②−5 ロイヤルロード
②−6 クイック・リリース
②−7 ビハインド・ザ・ネット
②−8 リバウンド
②−9 アクロスプレー
③まとめ
「シュートは打たなきゃ入らない」はやめましょう。
私も昔よく言われてたフレーズがあります。
試合で無作為にベンチから「どんどん打てぇぇーーー!」や
「シュート!シュート!」って、とにかくシュートを打つことが
全てかのような指示が飛んでいることを耳にてきました。
最近はネット環境の普及もあり、スコアリング(点数の取る事)の
方法や技術などが日本にもだいぶ普及してきましたが、
未だに根性論的な思想の方も少なくありません。
シュートは打たなければゴールにはならない。
「宝くじは買わなきゃ当たらない」と同じ理屈です。
もちろん正論っちゃ正論なんですが、
それって点数の入る確率何%ですか??
NHLの選手が無作為にシュートを打っていますか?
私はそれを確率の良い方法だとは思えません。
では決定力の高いチームは実際に試合でどんな工夫をしているのか?
GK防具の進化やゴールテンディングの技術革新、スティックの進化など
原理原則をしっかりと理解した上で、いかに工夫して点数を取るか?
「シュートは打たなきゃ入らない」はやめましょう。
「とにかく打て」は、弊害ばかり。
特に小学生くらいのカテゴリーでは、
指導者が間違ったキーワードを言ってしまってる気がします。
試合や練習でこんなこと言ってませんか?
「とにかく相手よりもたくさんシュートを打て」
「シュートが弱い!強く打て!」
「打たなきゃ入らないぞ!」
確かに、小学生ほどのカテゴリーでは、
GKのセーブ率が低いのが現状ですので、
(小学生が大人サイズのゴールを守ってる訳で…)
「打てば入る」っていうのは、原理原則としては正論ですから
指導者が目先の勝利の為だけに、「打て打て作戦」という
しょぼい作戦を選手達にやらせるのでしょう。
ではその作戦は、本当に子供達のためになっているのでしょうか?
今後、選手達が上のカテゴリーに進み、セーブ率が90%のGKから
どうやって得点するのですか?
選手達には、中学・高校・大学・アジアリーグ・日本代表選手として
活躍するべく、将来を見据えた正しい球技スポーツとしての原理原則や
スコアリングの方法を教えるのは指導者として必要なことです。
「シュート率が上がる」決定力の高いシュート(プレー)とは?
ゴールが決まるシュートは、よく観察してみているとある程度パターン化していますし、NHLなどでは、シュートの入る確率がデータ化されたものもあるので、得点力を上げる為に何が必要なのかが明確にわかります。
前提として、得点力を上げるために必要なのは、これから下記で説明するプレーを徹底的に増やすことです。
これらのプレーが増えれば、必然的にゴール数は上がります。
しかし、これだけでは足りません。ここに想像力・理解力を加えるだけで、ゴール確率は格段に上がります。
どうすればよりGKが取りづらいシュート(プレー)になるのか想像力を働かせられるかが大切です。
1つひとつみていきましょう。
シュートは速さ(強さ)よりコントロール
まず初めに、個人のシュートとして前置きさせてください。
得点シーンとして、スロットからのシュートは一番定番で、皆さんもよく練習でも行うかと思います。
その中で、どんなシュートがGKが困るかというと、素早くコントロールされたシュートが取りにくいと言われています。
ここが大事なポイント。
『シュートは速さ(強さ)よりも、コントロールです。』
力まかせ&ノーコンで枠を外す、そんなボディブローだけの早いシュートは怖くありません。
コントロールするべきは、肩口(キャッチングの上)、サイド(ブロッカーのミドル)、股(ファイブホール)、こぼれやすい脇(Aライン)を正確に狙います。
また、素早くシュートを打つと、キーパーは反射的にどうしてもシュートを打たれた時にバタフライしやすいので、確率がぐっと上がります。
素早いスナップショットでの肩口シュートはたくさん練習しましょう。
GKが優秀で完全にコースを塞がれた場合は、味方のポジションを脇見でみながらそこにリバウンドが溢れるようにシュートを打つのも手です。
これも結局はコントロールですね。
また、一瞬味方を見たり、DFの股の間からシュートを打って相手DFをスクリーンに使ったり、一瞬パックを動かし、キーパーの重心を少しずらしてからシュートを打つなど、工夫の仕方は山のようにあります。
得点力を向上させるためには、そもそも個人のシュートやパス・レシーブ、スケーティングなど、個人の技術をあげていくのが大前提となります。
日頃からしっかりと個人スキルの練習をしましょう。
それでは本題に入ります。
シュートの入る確率を格段に上げるプレー(キーワード)
決定力不足を解消させる方法としてはいろいろな方法があり、それを試合中の場面に合わせてプレーしていくことで、必ずあなたやあなたのチームの得点率は上がります。
シュート率を上げる方法を簡単ではありますが、ここではキーワードとして9個ほどご紹介いたします。
それでは見ていきましょう。
1、スクリーン
スクリーンとは、敵陣のゴール前でGKの前に立ち、シュートのコースや軌道を見えなくするようGKの視界をさえぎるプレーのこと。
スクリーンをすることで、GKはシュートに対して反応できなかったり、正体を崩させることで得点しやすくすることができるため、遠くからのシュートなどに対しては必須のプレーとなる。
また、スクリーンに入ることで、相手ディフェンスの選手もボックスアウト(スクリーンの選手をゴール前から出すこと)にくるため、そこでしっかりとバトルしてスクリーンを継続すると、スクリーンが2人分になるので、GKはよりシュートが見づらくなり得点率が上がります。
スクリーンの詳しいやり方については、別記事で詳しく説明します。
2、フラッシュ・スクリーン
フラッシュ・スクリーンとは、シュートを打つ瞬間、シュートの軌道をさえぎるようにゴール前を通過するプレーのこと。
フラッシュ・スクリーンをするとGKの選手は瞬間的に視界を失い、シュートの軌道やシュートの行方がわからなくなることで、得点率を上げることができる。
☑️フラッシュ・スクリーンは成功させるコツ
①スクリーンをする選手は、シュートを打つ瞬間にタイミングを合わせて通過すること。
②シュートを打つ選手は、選手が通過する瞬間を狙ってシュートすること。
スクリーンの詳しいやり方については、別記事で詳しく説明します。
3、ディフレクション
ディフレクションとは、簡単にいうと”角度を変える”ことを言います。
ディフレクションは、”〇〇+ディフレクション”のようにいろいろな場面で使われるプレーで、GKにとって非常に嫌なプレーの一つです。
☑️具体例としては、
①スクリーン+ディフレクション
※枠外のシュートを枠内に角度を変えたり、シュートの高さを変える。
②フラッシュ・スクリーン+ディフレクション
※フラッシュ・スクリーンの選手に向かってきたシュートの角度を変える。
③ポイントからのシュートパス+ディフレクション など
※ディフェンスからシュートパスに対して、ゴール前や横で角度を変える。
ディフレクションをすることで、GKは正体した位置に対して違う角度からシュートが変化してくるので、セーブすることがむずかしくなり、リバウンドが出やすくなるためスコアリングチャンスも広がるので、積極的に練習をして試合で使いましょう。
ディフレクションの詳しいやり方については、別記事で詳しく説明します。
4、チップ・イン・ザ・エアー
チップ・イン・ザ・エアーとは、ゴール前やフラッシュ・スクリーンの選手が、空中に飛んできたシュートをディフレクションして、シュートを変化させるプレーのこと。
チップ・イン・ザ・エアーによるスコアリング技術については、得点率が高いことから注目を集め、NHLや海外選手を中心に練習に力を入れている選手も多い。
☑️チップ・イン・ザ・エアーやディフレクションなどの角度を変えるプレーのポイント!
角度を変えた位置が、ゴールから遠い方がシュートの変化する幅が大きいため、GKは反応しにくくなる。
また、ゴールから近い位置でシュートを変化させた場合は、シュートの変化が少なくセーブされやすいため、変化させる高さやコースに工夫が必要である。
詳しい解説については、別記事で説明いたします。
5、ロイヤルロード
ロイヤルロード(RR)とは、ゴールとゴールをつなぎ、リンクを縦半分にするような仮想のラインのことをいう。
また、ロイヤルロードを使ったプレーはシュート率(得点率)が高く、スコアリングにとって重要なラインであるので、しっかりと覚えておきましょう。
ちなみに、アイスホッケーで一番得点率が高いのは、ロイヤルロードをまたぐパスをワンタッチで打つシュートです。
そこら辺も合わせて、ローヤルロードを使ったスコアリングの詳しい内容については、別記事で詳しく説明します。
6、クイック・リリース
クイックリリースとは、シュートをするときの用語で、文字通り素早くスティックから放つということです。
世界レベルでは、クイックリリースで打てなければ、いくら早いシュートが打ててもシューターの得点力は各段に下がります。
ドリブルやハンドリング、レシーブからためがなくそのまま素早くリリース出来れば、ゴーリーは予測が難しくなります。
世界的に有名はNHL、ピッツバーグ・ペンギンズのクロズビー選手もクイックリリースの重要性について、「クイックリリースはすごく重要で常に練習している。早いシュートももちろん武器になるが、クイックリリースが出来れば、ゴールを決めるチャンスは更に広がる」と語っています。
皆さんもぜひクイックリリースに磨きをかけて得点率をあげましょう。
クイックリリースを使ったスコアリングの詳しい内容については、別記事で詳しく説明します。
7、ビハインド・ザ・ネット
ビハインド・ザ・ネットとは、”ゴール裏”のこと。
近代ホッケーでは、GKのスケーティングやセービングの技術革新もあり、プレーヤーはいかにGKの正体を崩すかがポイントとなっている。
GKの正体や相手チームのDZC(守りのシステム)を崩す方法として、ビハインド・ザ・ネットを使った攻撃が得点率を上げる方法として練習しているチームは多い。
ビハインド・ザ・ネットを使った戦術や練習については、別記事で解説します。
8、リバウンド
リバウンドとは、シュートをGKがセーブしてこぼれたパックのこと。
リバウンドについても、「とにかくシュートを打て」の次に多く言われるのが「シュートしてリバウンドを狙え!」っという無策に近い呪文。
俺たちは「シュート・リバウンドで勝つんだ!」っていうチームがあるとしたら、即刻作戦変更してください。
実際にリバウンドからの得点って、全体の何%かわかりますか? ※わからない方はググってください。
リバウンドを中心とした作戦は、得点率を上げる方法としては、ゴールする確率が低すぎます。
あっ!一応言っておきますが、リバウンドが悪いって言ってるわけではないですので。
シュート・リバウンドを中心とした作戦にする前に、やることが山ほどあるでしょ!って話です。
工夫された得点率の高いプレーやシュートがあって、そこから生まれたリバウンドが得点につながります。
無作為に打った「数打ちゃいつか入るだろうシュート」は、簡単にリバウンドコントロールされるんで、リバウンドすら出ません。
優先順位を間違えずにしっかりとチームで工夫をして試合に挑みましょう。
リバウンドの技術的な部分については、別記事で解説します。
9、アクロスプレー
アクロスとは、”横切る”ことをいいます。
アクロスの具体例としては↓↓
・プレーヤーがゴールに対して平行に横切る事をスケートアクロス。
・ゴール前を横切るパスのことをパスアクロス。
では、〇〇アクロスをする事で何が起きるのか?
スコアリングで重要なのは、GKを横に動かして正体を崩すことです。
意図的にアクロスプレーを使って、得点力を上げましょう。
まとめ
それでは、まとめとして、
❶とにかくシュート数を打てはやめましょう。
❷原理原則をしっかりと学びシュートの工夫をしましょう。
❸練習ドリルに得点率の上がるプレーを取り入れましょう。
❹体に染みつくまで練習しましょう。
簡単ではありますが、得点力があるチームは何をやっているかを紹介してきました。
特に①〜⑨については、個人というよりは複数人で力を合わせてプレーするものが多いのがわかっていただけたでしょうか。
当たり前のことですが、アイスホッケーはGKを含め6vs6でプレーする競技です。
チームとしてスコアリングの方法を工夫をすることで、効率の良い方法は無数に生まれます。
また、得点力の高い攻撃を成功させる為には、個人スキルの上達がそもそも必要となります。
個人として、チームとしてしっかりと良い準備をして試合に臨みましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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☑️この記事を書いております田中雄也です!
【プロフィール】
■一般社団法人スキルチャレンジ
■代表理事 田中雄也
■1983.02.26
■サラリーマン&起業家&アイスホッケーコーチの三刀流✂️
■北海道、主に釧路市や道東地区を中心に活動
●合言葉は、
《できる・できないではなく、やるか・やらないか》
🏒アイスホッケーの競技歴は、小・中・高・大学と、現在も社会人でプレー。
🏒アイスホッケーの指導者歴は13年。(2020年2月現在)
🏒氷上練習の指導回数は、年間で約300回以上。
🏒現在も幼児〜オリンピック選手まで幅広く、毎年200名以上を指導している。
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